水底の静観者

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水底の静観者

2011年1月26日(水)~31日(月)
戯曲:北村耕治
演出:澤 唯(サマカト)
場所:下北沢「劇」小劇場

出演

浅野千鶴(味わい堂々)
小川拓哉
川崎桜
佐藤達(劇団桃唄309) 
徳元直子(劇団ぐるぐる牛)
中村純壱郎(トノチョ′)
野村沙月(のむらんぷ)
目黒大輔(TEAM JAPAN SPEC.)
力武修一(劇団リケチカ)

スタッフ

舞台監督:田中新一(東京メザマシ団)
舞台美術:袴田長武(ハカマ団)
照明:南出良治
音響:齋藤瑠美子
衣裳:速水由樹
小道具:木家下一裕
演出助手:江川可奈子
宣伝美術:土谷朋子(citron works)
制作:北村耕治
制作補佐:石川智美(劇団四方八方)
企画製作:猫の会

おはなし

主人公は、どこにでもいる意思の弱い男です。
この物語は、彼の半生のほんの一部分に焦点を合わせ、
人々や環境の変化に取り残される、もしくはうまく対応できない様を描きます。

猫の会はこれまでいつだって、
世の中に対して希望のある物語を上演してきました。
というか、これまでぼくが書いてきたすべてのお話がそうでした。
たぶん、ぼくが世界にこうあってほしいと願っている希望の表れだったのだと思います。
今回はその希望を持ち込まず、この眼に映るままの世界を
描いてみようと決めてキーボードを叩いています。

あまり捗りません。

チラシを入稿する段になってもまだ書いてるなんて、
これまでなかったんだけどなあ。どうも勝手が違います。
困った。
だけどこれを書きあげられたら、
きっとまた少し世界が変わって見えるんじゃないか。
逆説的ですが、そんな気がしていて。
今はそれを楽しみに、1字1字を練り込んでいます。

些細なことではありますが、今とは少し違う世界を見たいです。
そしてそれをあなたと共有したい。

2011年の猫の会は、世界をありのままに見つめることから始めます。
ご来場、心よりお待ちしています。

舞台写真

水底の静観者・舞台写真

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この公演でまず思い出すのは、ポルトガル語指導をしてくださったアントニーさんです。3ヶ国語を駆使するマルチリンガルのナイスガイ。google翻訳を使って書いたお粗末なポルトガル語の台詞に適切な代替案を提案してくださり、俳優にも熱心に発音の指導をしてくださいました。本番を観に来てくださった時、打ち上げではポルトガル語の「乾杯」を教えてもらいました。でも、なんだったっけ。その乾杯の文句が思い出せない。アントニーさん、なんでしたっけ。

執筆はけっこう苦しかったです。丁度準備期間中に父を亡くしまして、それも明らかに影響していたと思うし、この水底の静観者で描こうとしていたものもやはり、自分には重かったんだと思います。敬愛する檀一雄先生をあるキャラクターのモチーフとしていまして、それに関する調べ物をしている時間だけやたら楽しかったなあ。積木という登場人物は、ぼくにとって一つの発明でした。またああいう人が書きたいなって思ってます。